個人塾の場合、使用するテキストの選択を自分で行うことができるというメリットがあります。
今までの経験や塾のコンセプトによってテキストを選んでいることでしょう。
テキスト選びでミスしてしまうと、思ったように生徒が集まらなくなってしまいます。
大手進学塾と差別化を図るためにも、テキスト選定に力を注ぐようにしましょう。
今回は塾用教材に絞ってテキストを考えていきます。
教科書準拠の塾用教材
塾に通ってくる生徒に満足感を与えるためには塾用の教材を使うことが効果的です。
「塾に通っていないと手に入らない」という時点で優越感を持ってもらいましょう。
そのため、教科書準拠のテキストも市販のものではなく、塾用のものを使うことをおすすめします。
さらに、塾用の教科書準拠の教材から実際に定期テストで出題された問題があれば、大々的にアピールしていきましょう。
「塾でやった問題が定期テストに出たよ」
この一言で塾に通ってみようかなと思う生徒が出てきます。
口コミが広がるようにちょっとした工夫をすることが大切です。
敢えて「Sirius発展編」
教科書準拠の塾用教材で定期テストの点数を上げ、内申点を上げることも大切です。
しかし、優秀な生徒はそれで満足すると思いますか?
特に県立高校を目指す生徒が多い地方の個人塾は注意が必要です。
定期テスト前はともかく、普段は「もっと難しい問題がやりたい」と思っていることでしょう。
そのレベルの生徒を満足させることができる教材を選ぶと、同じようなレベルの生徒を集めることができるようになります。
地方の個人塾で指導していたことがありますが、塾長から「とにかく学校の勉強に合わせてやってくれ」と言われました。
できる生徒からすると本当に退屈な授業だったと思います。
1年目は言われたとおりにやりましたが、2年目は「Sirius発展編」を使わせて欲しいと強く要望し、許可を得ました。
Sirius発展編を使って授業を行うようになってから、できる生徒たちが楽しそうに問題を解くようになりました。
また、分からない問題を自分から質問しに来るようにもなりました。
そのため、保護者面談で「最近勉強への取り組みが変わってきたのですが、何をされたんですか?」と聞かれるたほどです。
その影響もあり、できる生徒の入塾希望が増え生徒数も大幅にアップしたのを覚えています。
できる生徒に合わせて、少し難しいテキストを選択することを検討してみると効果があります。
オリジナルプリントの作り方
塾用教材で準備されているものをプリントにするのは時間の無駄です。
例えば、漢字練習帳や英単語帳などですね。
ただし、覚えたかを確認する「漢字テスト」や「単語テスト」は作成した方が効果的です。
また、全ての教材をオリジナルで作ろうと思うと、時間がいくらあっても足りません。
現在足りない分野で生徒の役に立つものだけをプリント化していくのが効率的でしょう。
国語は文法プリント
塾用教材や市販教材を見ると、国文法はおまけ程度しか出ていないものが多くあります。
国文法は覚えたら確実に得点となる分野なのに勿体ないですよね。
そこでオリジナルプリントを作成し、しっかり指導をすると大手進学塾と差別化を図ることができます。
読解問題よりも体系的に教えることができるので、国語が嫌いな生徒の意識改革ができたりもします。
プリントを作成する際に細かいウンチクは省き、得点に繋がる部分に特化することが大切です。
塾の講師をしていると細かいウンチクを話す人が多くいますが、生徒にとっては退屈な時間となっていることがあります。
ウンチクを話すことで得点が上がるのであれば話した方が良いですが、そうでなければ実践テクニックを教える時間を長くした方がいいでしょう。
数学は公式プリント
数学の各分野の基本的な解き方は塾用教材に出ています。
そこでオリジナルプリントを作成するのであれば、塾用教材に出ていない公式に特化したものが効果的です。
通っている生徒のレベル、志望校に合わせて知っていると便利な公式に絞ってプリントを作成するのがいいでしょう。
Sirius発展編に出ていますが、「メネラウスの定理」は使いこなせるようにしましょう。
以前、地方の個人塾で「メネラウスの定理」を教えた時に感動されたことがあります。
敢えて教えていなかっただけなのかもしれませんが、使える公式は教えた方が問題を解く時間の短縮になります。
また、計算ミスを防ぐことができたりもしますので、使いこなせるようになるまで指導をしていきましょう。
英語は構文プリント
長文や単語などは塾用教材を使えばいいのではないでしょうか。
英語でオリジナルプリントを作るとすると、構文プリントが一番だと考えます。
重要構文や言い換えのパターンだけを集めたプリントです。
もちろん一枚にまとめるのは難しいですので、冊子にして渡すとよいでしょう。
無くす生徒が絶対にいると思いますので、無くした場合のペナルティーを最初に伝えておくことも忘れずに。
ペナルティーの内容でも大手進学塾と差別化を図ることができますので、内容をよく練るようにしてみてください。
もちろん生徒との信頼関係ができあがっていることが必要ですが。
まとめ
定期テストで高得点を取り、内申点を上げるためには教科書準拠のテキストを勉強することが効果的ですよね。
もちろん学校の教科書を徹底的にやるだけでも高得点が取れるかもしれません。
しかし、いかに塾に通ってもらえるようにするか、そして通ってもらったからには成績を上げるようにしていくか、さらに次の生徒を集めるためにどうするかを考えていかないといけません。
そこで、テキストひとつを取ってみても、大手進学塾と差別化を図るように考えていく必要があります。
テキストで差別化を図ることができないようでしたら、オリジナルプリントで差別化を図ることを考えましょう。
大手と同じようなプリントを作っていてはダメです。
限られた人員、資金の中で最大限の効果が出るように計画を立てていきましょう。