各塾にはそれぞれ教育理念が掲げられていますが、全ての保護者の方が見ているのかは疑問に思うところです。
お子様が通っている塾の教育理念をすぐに答えられますか?
教育理念に『生徒第一主義』を掲げている塾は多くあります。この生徒第一主義とは一体どのようなものなのでしょう。
生徒第一主義だけを掲げている塾
教育理念に『生徒第一主義』とだけ掲げている塾があります。具体的なことが何一つ書かれていないことも多々あります。それでも何となく「生徒のことを考えてくれる塾」という印象が生まれるから不思議です。『生徒第一主義』というのは魔法の言葉なんでしょうか。
塾として生徒の合格を考えるのは当たり前のことです。もちろん塾講師も生徒の合格を願っています。保護者の方も塾に求めるものは成績向上と志望校合格ではないでしょうか。はっきりとした目標があるのですから、それを掲げた方が分かりやすいと思うのですが。
「生徒のため(子供のため)」
塾に勤めていた時の会議で、「生徒のことを考え、日曜に特別講座を開講する予定」という議題がありました。出席者からは「講師の休みがなくなる」といった意見も出ましたが、最終的には「生徒のため」という魔法の言葉で開催が決定しました。
もちろん無料の講座ではないので、各教室ごとにノルマが指示されます。保護者の方に連絡をする際も「生徒のため(子供のため)」といった言い方がマニュアル化されました。
日曜の特別講座が開講されるようになり、講師の休みは週1回に減りました。もちろん休日出勤手当は出ますが、退職した講師も沢山出ました。
塾では「生徒のため(子供のため)」といったフレーズがよく出ます。「お子様の成績のために講習会に出席させてあげて下さい」といったような話をされた保護者の方も多いのではないでしょうか。これも『生徒第一主義』になるのでしょうか。
もちろん生徒のために講師も保護者の方も頑張るべきです。それでも出来ることと出来ないことがあると思います。それを全て「生徒のため(子供のため)」といった言い方でまとめようとする塾は今でも多いと思います。
体調を崩す講師が多い塾
会社の健康診断で再検査になる人の割合はどれくらいなのでしょうか。調べたことがないので分かりませんが、以前勤めていた塾では半数近くの人が再検査になっていました。
塾の場合、仕事が終わるのが遅いので生活のリズムが崩れがちです。特に深夜まで残る講師も多くいました。そうするとなかなか先に帰りづらい雰囲気があったりもします。
個人的に、体調を崩す講師が多い塾は要注意だと思います。講師が疲れていて授業に集中出来ていない可能性があります。逆にいつも講師が元気な塾は、授業も良い雰囲気になっているのではと思います。
『生徒第一主義』を実践するためには、まず講師に余裕を持ってもらうことが必要だと思います。「気合」「努力」だけではどうにもならないことがあると思うのですが。
お子様がお通いの塾の講師は元気がありますか?
最後に
最近は残業に対して厳しくなっています。塾も以前のように「気合」「努力」だけで何とするのではなく、システム化していく必要が出てきています。
志望校に生徒を合格させるため、塾や講師は色々と考えています。もちろん売上や利益についても考えないと、企業としてやっていくことが出来なくなってしまいます。全てを「生徒のため(子供のため)」といった言い方で押し通すのではなく、もう少し本音で話をすることが本当の『生徒第一主義』に繋がるのではないかと考えます。