中学受験の国語では、読解問題が出題されます。
読解問題で出題される文章は説明文・物語文・随筆文があります。
文章のジャンルによって解き方のポイントが違ってきます。
今回は物語文の解き方のポイントについて見ていきましょう。
読書とは違う
読書で物語文を読むのと、国語の読解問題で物語文を読むのでは違いがあります。
どこに違いがあるかというと、読書の場合は自分の好きなように文章を読み取っても良いですが、読解問題の場合は文章の中から答えとなる場所を探す必要があるということです。
「このときの主人公の気持ちを答えなさい」
という問題が合った場合、「私ならこういう気持ちになる」で答えてはいけません。
自分の気持ちを答えにしてしまうと、どの生徒の答えも正解になってしまうでしょう。
算数の問題と同じように、国語の読解問題でも答えは決まっています。
それも誰が見ても納得出来る根拠があります。
そのため、読書のように自分なりに文章を味わって答えを出しては正解になりません。
文章中から答えの根拠となる場所を探すようにしましょう。
- 読書は自分なり文章を味わって読むことが出来る
- 読解問題は文章の中から答えとなる場所を探す必要がある
- 答えの根拠がはっきりしていて答えは一つになる
場面を把握しながら読む
アニメやドラマ・映画を見ていると、一瞬画面が黒くなり、時間や場所が変わっていることがあります。
物語文の中でも場面が変わる箇所があります。
この場面が変わるところが問題で出題されます。
読解問題の物語文を読み進めていく上で、どこで場面が変わっているかに注意をしましょう。
では、どういったところで場面が変わるかを確認します。
- 時間が変わる
- 場所が変わる
- 登場人物が変わる
上記の3つのどれかが変わると場面が変わります。
時間が変わる場合、朝だったことが夜になる、今日の出来事から次の日の出来事に変わる、春から夏に変わる、1年前・1年後といったように年が変わるなど、いろいろなパターンがあります。
段落の最初に「夜になると」「次の日」「夏が来て」など、時間に関する記述があったら印をしておくようにしましょう。
場所が変わる場合、家での出来事が学校の出来事に変わる、引っ越しなどで住んでいる場所が変わるなど、いろいろなパターンがあります。
場所に関する記述があったら印をしておくようにしましょう。
登場人物が変わる場合、時間や場所も同時に変わることが多いです。
では、登場人物だけが変わる場合とは、どんなケースがあるか考えてみましょう。
たとえば、A君とB君が喧嘩をしていて、B君だけがその場を立ち去りA君が考え事をするようなケースがあります。
読解問題の物語文で場面が変わる場合、一番変わる可能性が高いのが「時間」です。
次に変わる可能性が高いのが「場所」となります。
「登場人物」だけが変わって場面が変わるというケースは少ないです。
したがって、時間の変化に気をつけながら物語文を読むようにしてみましょう。
登場人物の気持ち
物語文の読解問題では「登場人物の気持ち」に関する問題がよく出題されます。
「このときの主人公の気持ちを答えなさい」
といった問題が出題さると、ついつい気持ちを考えてしまうと思います。
特に中学受験の物語文では、主人公が受験生と年齢的に近い場合が多くあるので、
「私ならこういう気持ちになる」
といったように自分なり気持ちを考えてしまう人が多くいます。
しかし、気持ちを考えるのではなく、まず出来事について考えることが重要です。
気持ちというのは、何か出来事があって発生します。
「テストで100点を取った」
という出来事があったら、気持ちは「嬉しい」となることでしょう。
そのため、気持ちを考える前に出来事を見つけると正解しやすくなります。
出来事を見つけ、たぶん「嬉しい」気持ちだろうと予測することが出来たら、本当にその気持ちで間違っていないか根拠になる部分を探しましょう。
気持ちを確認する際は、
- 会話・話し方
- 表情・動作
- 天気
上記のことが書かれている箇所を探してみましょう。
会話・話し方については、「うれしい」「寂しそうに言った」といったように直接的に書かれている場合もあります。
表情・動作については、「にこにこ笑っていた」「とぼとぼと歩いていた」といったような箇所を探すようにしましょう。
天気については、「どんよりとした曇り空」「曇り空から光がさしてきた」といったような情景描写がされていたりします。
物語文の中で出てくる天気については、軽く読み流すことのないようにして下さい。
出来事の確認→会話・話し方・表情・動作・天気の確認をした上で、気持ちについて答えるようにしましょう。
気持ちの変化
中学受験の国語の物語文では、途中で気持ちが変化する場合が多いです。
気持ちが変化する場合も、出来事がきっかけとなっています。
たとえば、A君とB君が喧嘩をしていたとすると、お互いに「怒る」「嫌い」といったような気持ちなります。
「誤解が解けた(出来事)」ことにより、気持ちは変化していきます。
したがって、気持ちの変化についての問題であっても、まずは出来事を確認することから始めましょう。
また流れが変わる兆候として、天気の変化が描写されていることも多くありますので、天気が出てきたら注意をしておきましょう。
本当の気持ちを隠している場合
物語文の中では、本当の気持ちを隠している場合があります。
たとえば、
「テストで20点だった」
気持ちは「悲しい」といった悪い気持ちになるケースでしょう。
しかし、「テストをもらったA君は笑いながら席に戻った」と書いてあったら、表情は「笑いながら」なので、「楽しい」「嬉しい」など良い気持ちになってしまいます。
どちらの気持ちが答えになるかというと、大抵の場合、出来事優先に考えるべきです。
したがって、「他の人に自分の点数が悪かったことを知られたくない」「恥ずかしい」といったように、やはり気持ちは悪い方になります。
このように、出来事と表情・動作が一致しないケース(本当の気持ちを隠している)がありますので、まず出来事をしっかり確認することが重要になってきます。
まとめ
説明文と物語文では読み進めるにあたり、注意する箇所が違ってきます。
物語文の場合、登場人物・時間・場所・出来事に注意をしながら読むことが大切です。
そして、時間・場所が変わる箇所があったら場面が変わるので印をしておきましょう。
登場人物については、初めて出てきた箇所に印をして、誰が出てきたのかを確認しておきましょう。
また、よく出題される「登場人物の気持ち」に関する問題は、気持ちの前に出来事を確認することが重要です。
物語文は説明文に比べ、型が決まっていないので、読みながら人物・出来事などを確認することが大切です。
くれぐれも「自分なら〜だ」といった読み方にならないようにして、常に答えの根拠を探すようにして下さい。
説明文の解き方のポイントにつきましては「【中学受験】国語の読解問題の解き方のポイント〜説明文編〜」をご覧下さい。
詩の解き方のポイントにつきましては「【中学受験】国語の読解問題のポイント〜詩編〜」をご覧下さい。