講師:「今日はノートを持ってきた?」
K君:「持ってきたけど、使い切っていました」
講師:「少しでも空いてるページはないの?」
K君:「ありません」
講師:「ノート見せてごらん」
K君:「・・・・・・」
案の定、ノートを持ってきていませんでした。
もうお分かりかと思いますが、K君は自分のミスを認めようとはしません。
そのことを保護者の方も分かっていましたが、フォローに徹し、改善させようとはしませんでした。
結論から言いますと、K君の中学受験は失敗してしまいました。
難しいから出来ないよ〜
K君が塾に来たのは小学4年生の時でした。
最初はスラスラ解けていた算数ですが、小学5年生の2学期から、だんだんと解けなくなっていきました。
その頃からK君は、
K君:「今日は頭が働かないな〜」
講師:「じゃあ、基礎の復習をしよう」
K君:「うん」
K君:「これも難しくて出来ないよ〜」
ちょっと難しい単元になると、すぐに諦めてしまいます。
そのことを保護者の方に伝えてると、
保護者:「時間がある時に復習させますね」
毎週新しい単元が出てくるので、復習する時間を確保することが難しいのは保護者の方も分かっていました。
それでもその場で何とかしようとはせず、後伸ばしにするようにしていました。
結局、K君は小学6年生になっても、
K君:「難しくて出来ないよ〜」
と、ずっと言っていました。
過去問を解いてみると
小学6年生の2学期から過去問を解き始めると、やっぱり合格最低点に届きません。
合格最低点との差は4科目で100点くらいあります。
しかし、その差をどうにかしようとするのではなく、
K君:「難しくて僕には無理だ」
と、諦めてしまいます。
保護者の方にも、
講師:「現状、志望校の合格最低点との差が100点以上あるので、もう少し厳しくやっていく必要があると思います」
と、伝えたところ、
保護者:「息子には厳しくしないでください!」
と、言われました。
そのため、現状維持で指導を続けましたが、一向に合格最低点に届くことはありませんでした。
年が明けて
年が明けてもK君は、
K君:「時間がなくて、宿題が出来ませんでした」
K君:「あれ?宿題用のノートを持ってくるのを忘れました」
K君:「難しくて宿題が出来ませんでした」
自分が中学受験をするということを、分かっていないかのような発言ばかりです。
保護者の方に、そのことを伝えても、
保護者:「次はやらせるようにします」
と、言われてしまいます。
1月中に試し受験をしましたが、
K君:「難しくて出来なかった」
と、受験に際しても諦めムードです。
試し受験の結果は、不合格。
2月1日に第一志望校の学校が控えているのに、試し受験の結果を真剣に見ようとはしないK君。
少し厳しくK君に話をしたところ、すぐに保護者の方から電話がありました。
保護者:「息子には厳しいことは言わないでください!」
第一志望校はもちろん、2月の併願校も1月の試し受験の学校よりも偏差値の高い学校です。
このままでは厳しいことを伝えても、
保護者:「厳しい指導ではなく、なんとかしてください!」
結局は、現状維持のままとなりました。
結果は、第一志望校を含め、併願校も全て不合格となってしまいました。
まとめ
中学受験に向けて、自分で何とかしようと努力することが出来なかったK君。
また、その姿勢を認めてしまった保護者の方。
塾講師は担当している生徒の合格に向け、色々と策を考えています。
担当講師のアドバイスを全く聞かないということは、塾に通っているメリットが半減してしまいます。
お子様はともかく、保護者の方は担当講師の指導方針を聞き、どうしても合わないと思ったら転塾も含め、志望校合格に向け最善の方法を取るべきだと思います。
仮に転塾をしても、お子様のやる気が上がらない場合は、中学受験を諦め高校受験にシフトするのも1つの手でしょう。