計算ミスや写し間違いをしてしまうお子様は多くいます。
計算ミスにしろ、写し間違いにしろ、本当は出来た問題です。
塾講師をしていた頃、
「どうしたらケアレスミスをなくすことが出来ますか?」
といった質問をよく受けました。
計算ミスをしないための方法として、
- 途中式をていねいに書く
- 計算式を縦に書く
- 筆算をする
などが考えられると思います。
写し間違いをしないための方法として、
- 一文字一文字チェックする
- 総字数を数える
などが考えられると思います。
しかし、いくら注意しても計算ミスや写し間違いが直らないお子様が多くいます。
今回は、計算ミスや写し間違いをしてしまうお子様への対処法を考えていきましょう。
悔しい思いをすると
計算ミスや写し間違いをしてしまうお子様は、
- 本当は出来たから大丈夫
- 次は間違えない
- 合ってれば◯◯点だったし
といった甘い考えを持っています。
残念ながら甘い考えを持っているうちは、計算ミスや写し間違いなどは直らないでしょう。
逆に、凄く悔しい思いをすると、一気に直ることもあります。
私も中学生の頃、社会のテストで記号で答える問題を語句で答えてしまい、12点マイナスになったことがあります。
その部分が合っていればクラスで最高点だったと先生に言われ、凄くショックを受けました。
それ以来、問題を読み記号で答える問題を語句で答えたことはありません。
また、塾講師をしていた頃、生徒の一人が理科のテストで、裏面があることに気づかず20点マイナスになってしまったことがあります。
その生徒はそれ以来、最初に問題がどこまであるか確認をするようになりました。
上記の例のように、お子様に自身が悔しい思いをすることで、ミスはなくなっていきます。
出来ることはしておきながら、きっかけが出るまで気長に待つことも重要です。
計算ミスを減らす工夫
悔しい思いをするまで待ちながらも、出来ることはしておきましょう。
計算ミスをしてしまう場合、どの段階でミスが出るのかを確認することが重要です。
小学生であれば、くり下がりの引き算で間違えてしまう、3けた割る2けたの割り算で位がずれてしまうなど、お子様ごとにポイントが違ってきます。
また、中学受験を目指している方の場合、逆算で間違えてしまうといったお子様も多くいます。
中学生の場合ですと、符号の間違えが多くなっています。
まずは、どこで間違えたのかが分かるように、途中式をていねに書くことから始めてみましょう。
途中式を書くときは、「=」を横につなげていくのではなく、縦に書いていくようにして下さい。
前の式を見る時に縦に書いておいた方が見やすくなるなるため、ミスが出なくなります。
小学校の計算ドリルでは横に「=」がついていたりするので、ついつい横に式をつなげてしまうかと思いますが、縦に書くようにするだけで、効果が出てくるお子様もいます。
答え合わせの時、間違えた問題は途中式を見直し、どこで間違えたかを確認するようにして下さい。
どこで間違えたか分かるようになると、次から注意するようになります。
最後に、計算をする時に2つの作業を一緒にするとミスが出ることが多くなります。
たとえば、中学生の方程式で、( )をはずす作業と、同類項をまとめる作業を別々にするだけで、ミスは減ってきます。
( )をはずすときに、符号が変わることに注意だけをする。
同類項をまとめることだけに注意する。
1つのことだけに注意をすると、ミスは出にくくなります。
焦って計算し、ミスをしてしまうよりも、一つ一つを丁寧に計算し、ミスをなくすことに専念するようにしてみましょう。
写し間違いを減らす工夫
計算ミスの前に、問題を写し間違えているお子様も多くいます。
問題を移しまがえていると、いくら正確に計算をしても答えは合いません。
たとえば、途中式を確認し、どこにも間違いがないのに答えが合っていない場合、最初の問題を写した時点で間違っている可能性があります。
また、計算問題以外にも、国語の「書き抜き問題」で写し間違いをしてしまうお子様が多くいます。
国語の書き抜き問題で写し間違いをしてしまう3つのパターンは、
- 1文字抜かしてしまう
- 1文字変えてしまう
- 漢字を間違えてしまう
上記の3つとなります。
決まった字数の書き抜き問題の場合、「字数が足りない」となったところで、間違いに気がつくことが出来ます。
しかし、文字を変えてしまったり、漢字を間違えてしまったりしたことには気がつきません。
そこで、写し間違いを防ぐために、計算問題であれば、計算を始めるまえに問題の式と写した式を照らし合わせる作業をするようにしましょう。
照らし合わせる作業にかかる時間は30秒もかかりません。
それだけで、ミスをなくすことが出来ます。
国語の書き抜き問題であれば、文章の書き抜く部分をまずは四角で囲い、その後に写し始めるようにしましょう。
また、見直しの時に分かるようにも、書き抜き問題には印をし、答えの場所がどこかすぐ分かるように自分なりに書いておくと良いでしょう。
(例)◯3ー上10問3
◯:書き抜き問題
3:3ページ
上10:上の段の10行目
といったように見直しをするときに、どこを書いたか分かるにようにしておきましょう。
写し間違えを防ぐためには、一文字ずつ確認することが重要です。
まとめ
計算ミスや写し間違いもなくすためには、お子様の意識を変えることが最も効果的だと考えます。
実際、今まで教えてきた生徒の中にも、悔しい思いをしてミスがなくなった生徒が沢山います。
受験学年になる前に、悔しいきっかけがあると効果的なのですが、ただ待っているだけにはいきません。
そこで、出来る対策をしていき、その上できっかけを待つようにしましょう。
保護者の方に2点注意して欲しいことを最後に書きます。
- 本当は出来た問題だったね
- 何度言ったらケアレスミスがなくなるの
上記2つのことは、お子様に言わないようにして下さい。
1は甘えの気持ちが出てしまうからです。
2は自分でも分かっていることだからです。
保護者の方から何も言われない方が、お子様は自分で考えるようになります。
自分でミスをしない方法を見つけると、その後は安定してきます。
ぐっと堪えて、ミスがなくなるまで待つようにして下さい。