中学受験をする場合、毎月3~6万円くらいの月謝を払って塾に通わせているご家庭が多いのではないでしょうか。毎月固定であれば事前に計画を立てたり準備をしておくことも可能でしょう。
しかし、大手進学塾では毎月の授業だけではなく学校の長期休みに季節講習を開講しています。
季節講習とは
- 学校の長期休みに開講される塾の特別授業のこと
- 春期講習・夏期講習・冬期講習がある
- 夏期合宿や正月特訓が開講される塾もある
季節講習は授業時間が長いため受講料が高くなります。中学受験をするためには季節講習は必要なのでしょうか?もし季節講習に参加しないとどんなデメリットが生じるのでしょうか。
今回は塾の季節講習について元塾講師が本音でお答えしていきます。
塾ごとに違う季節講習の内容
塾により季節講習の内容が予習であったり復習であったりと違ってきます。お通いの塾の季節講習の内容を事前に確認しておく必要があります。
季節講習の内容が予習の場合
季節講習に参加しないと未習単元ができてしまいます。そのため季節講習に参加した方が良いでしょう。
季節講習は通常授業よりも時間数が長かったり、毎日授業があったりするのでペースを作ることが大切です。学習した内容を消化できるように自宅学習の時間を確保する必要があります。
また、塾の季節講習がない期間に復習の時間を取るように計画を立てておきましょう。今までに学習した内容で、理解があいまいだったり覚えきれてなかったりした単元の復習をして定着を図りましょう。
季節講習の内容が予習・復習の場合
予習をする期間は季節講習に参加した方が良いでしょう。(理由は上記と同じです)
復習をする期間はお子様の出来具合によって参加・不参加を決めましょう。今までの内容がしっかり定着しているのであれば敢えて季節講習に参加する必要はありません。また、苦手な単元が1~2単元の場合も自分でその単元だけの復習をした方が効果的な場合もあります。
季節講習の内容が復習の場合
お子様の出来具合によっては季節講習に参加せず、自分で学習をした方が効果的なケースがあります。
事前に季節講習で扱う内容を確認し、お子様の苦手分野なのかを把握しておきましょう。苦手分野を少ししか扱わないのであれば、塾の季節講習と同じ時間を自宅で勉強した方が効率的です。
問題演習が多い小学6年生の夏期講習と冬期講習
小学6年生の夏期講習からは問題演習が多く組み込まれます。中には入試問題演習を取り入れてくる塾もあったりします。というのも、小学6年生の1学期で中学受験に必要な知識の勉強が終了するためです。
元塾講師の本音を少々
夏期講習期間の担当授業時間数は6~8時間でした。授業準備も大変ですし、喋り続けるのも大変でした。入試問題演習を取り入れると50~60分の演習時間を取ることができるので責任者からも入試問題演習を行うようアドバイスをされていました。
本題に戻りましょう。
入試問題演習を行うことで最初は生徒のモチベーションが高まります。しかし、得点が取れない生徒も多くいるため、だんだんと惰性で問題を解いて答え合わせをするだけになっていってしまいます。
長い季節講習の節目に入試問題演習を行うのであれば良いのでしょうが、毎日演習が続くカリキュラムの場合は、小学6年生であっても参加・不参加をよく考えた方がよいでしょう。
入試直前期に行われる小学6年生の冬期講習は、完全に問題演習(入試問題演習含む)と解説の授業形式になっていきます。どんな問題を解くのかを事前に確認し、お子様にとって必要かどうかを吟味する必要があります。
もし小学6年生で夏期講習や冬期講習に参加しないという決断をしたのであれば、塾の授業時間数はもちろん、宿題をやるであろう時間数もしっかり自分で進めていく必要があります。
塾の季節講習に参加しない場合の勉強法
季節講習の内容が予習型の場合は参加することをおすすめします。どうしても都合が悪く不参加となる方は、季節講習で進む単元までを自分で学習しておきましょう。
自学での予習方法
- 説明をしっかり読む
- 例題を解いてみる
- 基本問題を解いてみる
- 応用問題にチャレン
自学で予習をする場合は、基本事項に重点を置くようにしましょう。まず説明をしっかり読み理解することが大切です。理解ができたら実際に問題が解けるか例題を解いてみましょう。例題が解けた方は基本問題に進めばOKです。
例題が解けなかった場合は、できればすぐに質問をしたいところですので、お通いの塾で対応してくれるかを確認してみましょう。もしすぐに対応が難しいと言われたら、その単元は後回しにして次の単元の学習に進みましょう。
応用問題はひとりで全てを解くのが難しいかもしれません。その場合、お通いの塾で対応してもらえるかを確認してみましょう。
季節講習の内容が予習・復習型の塾の場合、季節講習で進む単元までを必ず自分で学習しておきましょう。勉強の仕方は上記の方法と同じです。(部分参加が可能であれば、予習期間だけ参加することをおすすめします)
復習単元については、お子様の苦手単元の復習に内容を変えて大丈夫です。その方が効果的なケースが多いので、季節講習が始まるまでに今までの模試の結果を見直し、どの単元に重点を置くかを決めておきましょう。
季節講習の内容が復習型の塾の場合、お子様の苦手単元の内容に重点を置いて復習をしていきましょう。
復習をする際は、何が出来て何が出来ないのかを確認することが重要です。もともと出来ているのであれば、その部分は飛ばしても問題ありません。何が出来て何が出来ないのか自分で分からない人は、基本問題から始めてみましょう。基本問題で解けなかったものは説明を読み直し、その上で再度解き直しをしていきましょう。
また、暗記ものについては本当に覚えられたのかチェックをする必要があります。覚えた気になって終わりにしないよう注意してください。
塾の季節講習についてのまとめ
塾の季節講習は参加することを前提にカリキュラムが組まれています。もちろん生徒の学力向上を目指してのことですが、他にも売上的な部分もあります。
小学4年生は受験コースであっても、季節講習の参加費は高くありません。5年生・6年生になるにしたがい、参加費が高くなっていきます。小学6年生の場合、季節講習と合宿・正月特訓・志望校別特訓などで講習会ごとに20万円ほどの費用がかかったりもします。
お子様の中学受験の成功を考え、必要であれば季節講習に参加した方が良いでしょう。しかし、季節講習に参加するよりも自分で学習した方が効果的なケースがあったりもします。ほかにも、プロ家庭教師に指導してもらった方が効果的だったりもします。
参考記事:【中学受験】プロ家庭教師を雇うメリット+良い先生の見つけ方
塾に通わせておけば中学受験は上手くいくだろうと考えていると、とんでもない結果になってしまうことがあります。普段からお子様の勉強の様子や塾の様子などを確認し、保護者の方も一緒に中学受験に向けて頑張っていきましょう。