ここ数年、中学受験において大学付属校の人気が高まっています。
早慶付属はもちろん、GMARCHの付属校も人気があります。
大学付属校の人気が高まっている最大の理由は、2020年以降に予定されている大学入試の変更だと思います。
その他にも、私立大学の入試が難化傾向にある(私立大学の入試が難化しているので、付属校の人気が続く?)ことも理由の一つだと考えます。
中学受験や高校受験で、大学付属校に入学することにより、大学受験を回避しようと考える家庭が増えているのでしょう。
しかし、大学付属校の中には、多くの生徒が他大学を受験する学校もあります。
他大学を受験しながらも、内部進学の権利を保持することが出来る学校もあるので、事前にしっかりと調べることが大切です。
今回は大学付属校の内部進学率について考えてみたいと思います。
早慶付属校
早慶付属校の多くは、内部進学で早稲田大学、慶應大学に進学をします。
ただ、中には内部進学枠が生徒数の半分以下の学校もあるので、注意が必要となります。
早稲田大学系列
- 早稲田大学高等学院
- 早稲田大学本庄高等学院
- 早稲田実業学校
- 早稲田高校
- 早稲田摂陵
- 早稲田佐賀
早稲田大学系列の付属校は、上記の6校があります。
早稲田大学への進学率を見ると、早稲田大学高等学院・早稲田大学本庄高等学院・早稲田実業学校が90%を超えています。
逆に、早稲田高校・早稲田摂陵・早稲田佐賀は、内部進学枠が生徒数の半分以下となっています。
早稲田大学へ内部進学を考えている方は、早稲田大学高等学院・早稲田大学本庄高等学院・早稲田実業学校を狙っていくと良いでしょう。
早稲田高校は内部進学をする生徒は50%弱となっていますが、残りの生徒の多くは東大をはじめとする難関大学へ進学しています。
したがって、進学校と見ることも出来るのではないでしょうか。
慶應大学系列
慶應大学の付属中学校
- 慶應義塾普通部
- 慶應義塾中等部
- 慶應義塾湘南藤沢中等部
慶應大学の付属高校
- 慶應義塾高校
- 慶應義塾志木高校
- 慶應義塾湘南藤沢
- 慶應義塾女子
早稲田大学の系列と違い、慶應大学の系列の場合、ほぼ全員が内部進学をしています。
そのため、慶應大学への進学を考えている場合、付属校へ進学するメリットは大きいと思います。
GMARCH系列
私立大学への進学を考えている場合、GMARCHの付属校は非常に魅力的だと思います。
たとえば、「明治大学付属中野(明大中野)」の場合、中学入試の偏差値は50程度となっています。
しかし、明治大学付属中野(明大中野)から明治大学への内部進学率は80%となっており、明治大学に進学する付属校のルートとしては、非常にお得ではないでしょうか。
また、「明治大学付属中野八王子」も、中学入試の偏差値は50程度となっていますが、内部進学率は80%と高くなっています。
他にも、中央大学の付属中学や、法政大学の付属中学なども、中学入試の偏差値が52〜55くらいですが、内部進学率は非常に高くなっています。
進学先を私立大学と考えている方にとって、付属校はとても魅力があるのはないでしょうか。
内部進学の権利を保持したまま他大受験が可能
大学付属校の中には、内部進学の権利を保持したまま他大受験が可能な学校もあります。
最低でも付属大学に進学することが出来、更には上の大学を目指すことも出来るので、非常に有利な条件ではないかと思います。
内部進学の権利を保持したまま他大受験が可能な学校は、「学習院高等科」「学習院女子高等科」「成城学園」「成蹊」などがあります。
どの学校も大学自体が名門なので、内部進学しても価値があります。
その上、他大受験をすることも出来るので、国立などを狙うことも可能です。
ただ、学習院の場合は、AO入試や推薦であれば内部進学の権利を保持することが可能ですが、一般受験をする場合には、内部進学が出来なくなってしまうので、注意が必要です。
中学受験や高校受験をする際に、しっかりと条件を確認しておくことが大切です。
大学付属校でも他大受験を目指す学校
大学付属校でも他大受験を目指す進学校タイプの学校も多くあります。
たとえば、千葉県にある「東邦大付属東邦」は、内部進学率が5%程度となっています。
東邦大付属東邦の多くの生徒は国公立や早慶、上智、GMARCHへと進学しています。
他にも「大妻女子」「東京農業大第一」「国学院久我山」「帝京」「共立女子」「東京都市大学等々力」「城西大学附属城西」「獨協」などは内部進学率が低く、多くの生徒が他大を受験しています。
大学附属であっても他大受験を目指す学校がありますので、ご家庭の教育方針に合っていれば検討してみてはどうでしょうか。
逆に、エスカレーター式に大学へ行かせたいと考えている場合は、避けた方が良いかもしれません。
学部を選ぶためには
大学付属校に進学した場合、そのまま大学に進めるので「楽が出来る」と思われるかもしれません。
たしかに大学受験をするよりは楽だとは思います。
しかし、学部を選ぶためには高校での成績をしっかりと取っておく必要があります。
そうでないと、自分の希望する学部に進学することが出来なくなってしまいます。
大学付属の中学校・高校に進学しても、安心せずに学校の勉強をしっかりとするようにしましょう。
特に「英語」の勉強をしっかりとしておく必要があります。
というのも、大学入試の制度が変わり、「英語4技能」が重視されるようになるからです。
関連記事:【コラム】英語4技能って何のこと?|民間検定について
国際化が進む中、英語の重要性がますます高くなっていくと考えます。
また、医学部に進学したいと考えているようであれば、大学付属校は避けた方が良いかもしれません。
内部進学で医学部に上がれる人数は少ないので、受験をした方が可能性が高くなると思います。
まとめ
大学付属校といっても、色々なタイプの学校があります。
お子様の将来の大学進学を考えて、学校選びをすることが非常に重要となってきます。
そのため、学校選びをする際に、付属大学への進学率を確認するようにして下さい。
2020年の大学入試制度変更に伴い、まだまだ大学付属校の人気が続くと思われます。
お子様に合った学校、その中で大学進学を有利に進められる学校を見つけてあげられるよう、早めに学校の情報を入手するようにしましょう。