ここ数年、中学受験者は増加傾向にあります。
2020年度の中学入試も、「受験者数が減少することはない」と思います。
首都圏(東京・神奈川・千葉・埼玉)における、2018年度の中学入試では、約5人に1人が受験をしています。
小学校を卒業する生徒が2017年度に比べ、約7500人も減っているのに、中学受験をする生徒は増えています。
個人的に、「今年も中学受験者数は増加するのではないか」と考えています。
なぜ中学受験者数が増えているのかを考えてみたいと思います。
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大学入試の制度変更
2020年度から、大学入試の制度が変更されます。
大学入試センター試験が廃止され、「大学入学共通テスト」が導入されることとなります。
「英語」においては、民間の資格検定試験が併用されたりもします。
関連記事:【コラム】英語4技能って何のこと?|民間検定について
最初は民間の資格検定試験が併用されますが、2024年度以降は「大学入学共通テスト」の英語を廃止し、民間の資格試験に一本化する予定でいます。
2024年度ということは、現在の中学1年生以下の生徒が対象となります。
英語以外にも、現在の大学センター試験の内容から大きく変更されることがあります。
お子様を大学に進学させたいと考えている多くの保護者の方が、将来の受験に不安を持っていると考えられます。
したがって、中学校から「中高一貫校に入れて対策をさせたい」、「大学付属校に入れてエスカレーター式に進学させたい」と考えるようになっても、不思議はありません。
私大の定員管理の厳格化
政府の地方再生政策として、都会の私大の定員管理の厳格化も、中学受験熱を高めるのではないかと考えます。
詳しくは「私立大学の入試が難化しているので、付属校の人気が続く?」をご覧いただければと思います。
保護者の方も中学受験経験者
小学生の保護者の方が、首都圏出身であるとすると、中学受験を経験している可能性があります。
保護者の方が小学生だった頃、ちょうど「ゆとり教育」だったため、中学受験が盛んになった時期でもあります。
したがって、中学受験に対し特別という意識が少ないと思います。
保護者の方が、中学受験を経験していて、中高一貫校出身の場合、お子様にも同じような環境を提供したいと思うことは不思議ではありません。
より良い学習環境を求めて
お子様により良い学習環境を与えたいと考える保護者の方は多いと思います。
もちろん公立中学校の学習環境が良い場合もあると思いますが、同じ学年の生徒が荒れていたりすると、授業が成立しないこともあります。
私立中学校の場合、入試に合格したお子様だけが通うことが出来るので、公立中学校に比べると安心出来るのではないでしょうか。
また、東京の場合でいうと、中堅の私立高校の方が都立2番手校よりも大学の合格実績が良いケースがあります。
したがって、将来の大学受験を考え、お子様を中高一貫の私立に通わせたいと考える家庭が多いのではないかと思います。
新しいタイプの問題
公立の中高一貫校の入試問題は、私立中の問題とは違いがあります。
また、最近は「思考力」を問う問題が多く出題されるようにもなっています。
もちろん中学受験に向けての対策をしていないと、対応するのは難しいですが、ただ暗記するれば良いというだけではなくなっています。
したがって、今まで中学入試を敬遠していた方も、新たにチャレンジをしようと考えるようになっている可能性があります。
受験する学校の問題傾向に向けて、勉強の仕方を考える必要があるのではないかと思います。
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まとめ
2019年度の中学入試も受験者数が増加するのではないかと考えています。
少なくとも、受験者数が激減することはないでしょう。
大学入試の制度変更が行われる2020年度までは、今の傾向が続くと予想します。
また、大学入試の制度変更が行われた後でも、私立の学校の大学合格実績が良ければ、中学受験熱は続くでしょう。
この中学受験熱が落ち込むことがあるとすると、「リーマンショック」などの不況が来た時だと思います。
現在の小学6年生は、厳しい受験となる可能性がありますが、突き進むしかありません。
志望校合格に向け、計画的に勉強を頑張って下さい。