野球少年のT君が塾に来たのは小学5年生の4月でした。
本当に野球少年という言葉がぴったりのT君。
学校の勉強についていくのがやっとという感じの成績でした。
お母様と一緒に説明を聞きに来た日、進学塾だとは思っていなかったようで、説明を聞いている時はずっと下を向いていたのを覚えています。
お母様も自宅から一番近いというだけで説明を聞きに来たようで、自分の息子に合っているのかを相当心配していました。
数日後にT君は体験授業に参加しました。
受験コースではないクラスでしたが、授業中は相当苦労していました。
正直なところ入塾はしないかなと思っていましたが、体験授業後に手続きをし、入塾することとなりました。
そんなT君が、中学生になって学年1位なるまでを今回は書いてみたいと思います。
割り算が苦手なT君
小学5年生ですと、割り算の計算は既に習っています。
しかし、T君は3ケタ割る2ケタの割り算が出来ませんでした。
また、掛け算も繰り上がりが出ると間違えが多く出ていました。
最初のうちはとにかく計算練習を宿題にし、割り算や掛け算がしっかりと出来るようにするところからのスタートでした。
計算をマス目のノートに綺麗に書く練習を続けたところ、2ヶ月ほどで計算はしっかりと出来るようになりました。
普段の宿題の他に、計算プリントを毎回やっていたので、勉強時間は相当長くなったと思います、
野球をやりながらも、T君は毎回しっかりとやってきていました。
スピードが遅いT君
算数も国語も問題を解くスピードが周りの生徒に比べ格段に遅いT君。
理由は、読むことが苦手だったためです。
問題文を読むのに時間がかかってしまい、授業内で全ての問題を解き終えることが出来ないので、宿題が他の生徒よりも多くなっていました。
しかし、毎回宿題をしっかりとやってきていたので、進度が遅れるということはありませんでした。
ただ、テストになってもスピードが遅いので、なかなか得点を取ることは出来ずにいました。
結局、小学生の間に受けたテストの結果は最後まで良くなかったのを覚えています。
毎日塾に来ていたT君
T君は授業がない日も毎日自習をしに塾に来ていました。
学校の宿題や塾の宿題を自習室でやっている姿を毎日見ました。
また、分からない問題があるときには、担当講師以外にも積極的に聞きに行っていたので、講師全てがT君のことをよく知っていました。
土日は野球の練習がありましたが、ユニフォームのまま自習室に来て勉強をしていたのを覚えています。
中学校に入学したT君
小学校を卒業して公立中学校に入学したT君。
中学生になっても毎日塾に来て勉強をしていました。
だんだんとスピードも早くなり、テストでも得点が取れるようになってきていました。
そして、中学校に入学して初めての定期テスト。
定期テスト前は遅くまで塾に残って勉強していました。
定期テスト初日、学校が終わるとすぐに塾に来て、翌日の科目の勉強をしている姿を見つけました。
その日も遅くまで塾で勉強していたのを覚えています。
定期テストが終わり、結果が返却され始めました。
最初に返却されたのは英語と数学です。
答案用紙を持ってT君が私のところへ来ました。
英語100点 数学98点
素晴らしい結果です。
その後も結果が返却される度に答案用紙を持ってきてくれました。
5科目470点超え
初めての定期テストで学年10番以内に入っていました。
その後も定期テストでは10番以内をずっとキープしたT君。
何回かは学年1位も獲得しています。
公立トップ校へ進学したT君
高校受験では学区のトップ校へ進学をしたT君。
ずっと野球を続けなら勉強を頑張り、自分の希望どおりの高校へ進学することが出来ました。
残念ながらT君が高校へ進学した年に私は転勤となり、その後のT君の成長を見ることは出来ませんでした。
知り合いの講師から話を聞いたところ、希望する国立大学へ進学したとのこと。
小学5年生から高校3年生までずっと同じ塾で頑張って、希望する高校・大学への進学を勝ち取ることが出来たようです。
最後に
小学5年生の頃は学校の勉強についていくのがやっとのT君でしたが、努力の甲斐があり国立大学に合格しています。
最初の塾選びの時だけお母様と一緒にきましたが、それ以降は一人で毎日塾に通っていました。
面談でお母様と話をする機会が度々ありましたが、勉強のことは塾に任せているとのことで、家では一切勉強の話をしなかったそうです。
一番近くにあった塾というだけで入塾を決め、8年間もほぼ毎日塾に通ったT君。
滅多にないケースだと思います。
本当にお子様にあった塾を見つけることが出来ると、その後の進学先が大きく変わってくるのではないでしょうか。
これから塾を探す方は、お子様に合った塾を見つけてあげて下さい。
その際、自宅から近いと自習で行くのが楽だと思います。
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