講師「なぜ中学受験をするのか?」
生徒「親が決めたから」
講師をしていた頃、小学6年生に確認をしてみると、多くの生徒から上のような答えが返ってきました。
もちろん、本当は自分なりに考えがあったのかもしれませんが、表向きは「親が決めたから」と答えていた生徒もいたでしょう。
しかし、本当に入試を自分事として捉えられていなかった生徒もいました。
塾でも生徒の様子や、宿題の提出状況などを見ていると、話をしなくても「入試を自分事として、捉えられていないんだな」と分かるものです。
今回は、入試を自分事として捉えるには、どうしたら良いを考えてみたいと思います。
入試を自分のことと捉えられていないお子様
- 授業中はぼんやり、休憩時間は元気いっぱい
- 宿題をやってこない、やったとしても答えを写すだけ
- 目標を聞いても答えられない
- 受験校は全て親が決めている
入試を自分事として捉えることが出来ていないお子様の多くは、上記のいくつかが当てはまっていることが多いと思います。
講師をしていた頃、授業になるとぼんやりしているお子様が、休憩時間になると元気いっぱいになるのを見ていました。
国語・算数・理科・社会のどの科目でも、授業中はぼんやりしていたので、科目の好き嫌いという訳ではないのでしょう。
本当に入試を自分事として考えられていなかったのだと思います。
また、宿題をやってこないですとか、答えを写すだけというお子様も、時間を無駄にしているということに気が付かない点で、入試を自分事として考えられていないのだと思います。
塾では、講師が生徒に休憩時間などに、「なんで中学受験をするの?」と聞くことがあります。
この答えによって、入試を自分事として考えられているかどうか分かるものです。
さらに、入試が近づいてくると、「どの学校をいつ受験するの?」と生徒に聞くこともあります。
どの学校を受けるのかさえ分かっていないお子様、学校は分かっていますが、受験日がいつか分かっていないお子様なども、入試を自分事として考えていないのでしょう。
お子様にどう接していますか?
- お子様の勉強は塾任せ
- 準備を全てしてあげている
- 点数や偏差値を細かくチェック
お子様に対する保護者の方の接し方も、中学受験をする場合は重要となってきます。
よくありがちなのが、お子様の勉強は全て塾に任せているというパターンです。
保護者の方と話をすると、「勉強は全てお任せします」という方がいます。
中には、「お金を払ってるのだから、塾が全てするのが当然でしょう!」とまで言ってくる方もいました。
正直なところ、塾の授業時間だけ勉強しても、中学受験は上手くいきません。
毎日コツコツと宿題や苦手分野を勉強しているお子様が多くいる中、週に2〜3回、2〜4時間だけ塾で勉強しているだけで、合格を勝ち取ることは難しいです。
ご家庭での勉強時間の確保、出来具合の確認などを協力して行う必要があります。
逆に、全ての準備などを保護者の方がしてしまうというケースもあります。
塾のテキスト、ノートの準備、宿題のページに付箋を貼るなど、お子様がやるべきことを全て保護者の方がしてしまうと、自分事として勉強を捉えることが出来なくなってしまいます。
宿題を忘れても、「お母さんが、いつするかを言ってくれなかった」と答えた生徒がおり、びっくりしたことがあります。
模試の点数や偏差値を細かくチェックすること自体はとても大切なことです。
しかし、「今回は点数や偏差値が何点下がったじゃない!」とお子様を怒ることは逆効果です。
数字だけをお子様に突きつけても、なかなかモチベーションは上がりません。
模試の答案用紙をお子様と一緒に見ながら、「この問題は出来そうだね!そうすると何点になるよ!」といったように、具体的に話をしてあげると良いでしょう。
具体的に話をする際、前向きに声をかけてあげると更に効果があります。
家族とのコミュニケーション
中学受験の場合、小学6年生になると、夕飯は塾で食べるということが増えてきます。
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朝学校に行き、学校から帰ったらすぐ塾に行くというお子様も多いと思います。
塾から帰るのは9〜10時くらいとなると、お風呂に入ってすぐ寝ることになるでしょう。
1日の中で、家族とコミュニケーションを取る時間が殆どないことになってしまいます。
そこで、お子様とコミュニケーションを取る時間を確保する方法を保護者の方は考えてあげる必要があります。
たとえば、塾への送迎は、行きはお母様がし、帰りはお父様がするといったように、ルールを決めると良いかと思います。
関連記事>>【中学受験】父親が子どもの中学受験にどう関わるか
「お母さんだけでなく、お父さんも自分の受験に協力してくれている」とお子様が思うようになります。
家族で中学受験に向かうという姿勢が、お子様のモチベーションを高めるきっかけになることでしょう。
最後に
高校受験や大学受験となると、お子様も成長しているので、入試を自分事として捉えることが出来るようになってきます。
しかし、11〜12歳のお子様がする中学受験は、入試を自分事として捉えることが出来ないまま終わってしまう場合もあります。
早い時期から、中学受験を自分事として捉えることが出来るよう、家族で情報共有をしたり、モチベーションを高める工夫を取り入れていくことが大切です。
関連記事>>【中学受験】受験生にきっかけを与え、やる気を出させる
中学受験を自分事として考えることが出来るよになると、自然と勉強への取り組み方が変わっていきます。
現在、お子様がどれくらい中学受験を自分事として考えられているか、一度確認をしてみてはいかがでしょうか。
成績が思うように上がらない方は、
上の記事が参考になると思います。