お友達のお母様から「中学受験」の話を聞き、「我が子にも中学受験をさせよう」と思われた方も多いのではないでしょうか。
しかし、中学受験といっても学校は沢山ありますし、受験までに何をしたら良いのか分からないという方もいらっしゃると思います。
保護者の方が小学生だった頃と学校のレベルが大きく変わっていたり、受験勉強の内容が違っていたりもします。(中学受験の勉強は高校受験の勉強と違います)
そこで、今回は「初めての中学受験」を考えている保護者の方に、分かりやすく説明をしたいと思います。
首都圏と地方の違い
保護者の方が地方出身の場合、首都圏と地方の違いについて確認をする必要があります。
地方の場合、「公立中学校→地域のトップ高→国公立大学」という流れが多いと思います。
しかし首都圏の場合、大学進学実績を見ると「国私立高校」の方が圧倒的に良くなっています。
それも上位の私立高だけでなく、中堅の私立高であっても公立高より大学進学実績が良いケースがあります。
したがって、保護者の方の思い込みだけで中学受験を判断するのは避けるようにしたいものです。
また、私立の場合、学校ごとに教育方針が違っているので、最初は大学進学実績で志望校選びをしたとしても、本当にお子様に合っている学校なのかを調べることが重要になってきます。
学校ごとに校風が違うため、入学後に「子どもに合ってなかった」ということがないよう注意が必要です。
首都圏には多くの国私立中学校があるので、偏差値だけでなく学校ごとのカラーを調べるようにしましょう。
大学付属校といっても
大学入試の変更に伴い、付属校の人気が近年高まっています。
ここで勘違いしがちなこととして、大学付属校といっても進学に力を入れている学校も多くあり、付属大学に進学しないことが多々あるということです。
したがって、エスカレーター式に大学進学を考えていたのに、他大学受験に向けての勉強がメインとなってしまったというケースもあります。
たとえば、早稲田実業の場合、卒業生の95%は早稲田大学に進学をします。
しかし、早稲田中学の場合、卒業生の50%程度しか早稲田大学に進学をしません。
もちろん早稲田大学以上の国公立大学や、医学部を目指している生徒がいるので、大学進学率は悪くありません。
中学高校とのびのび勉強や、勉強以外のことをさせたいと考えているのであれば、付属大学への進学率が高い学校を選ぶようにしましょう。
市販の学校ガイドブックに進学大学についての掲載がありますので、しっかりとチェックすることが大切です。
係属大学への進学率が高い学校
早稲田実業 | 慶應系列 |
早稲田高等学院 | 立教池袋 |
立教新座 | 明大明治 |
明大中野 | 青山学院 |
日大豊山 | 日本女子大 |
上記の他にも、係属大学への進学率が高い学校は沢山ありますので、学校ガイドブックなどで調べてみることが大切です。
係属大学への進学率が低い学校
成蹊 | 桜美林 |
獨協埼玉 | 十文字 |
東京都市大学 | 駒場東邦 |
帝京 | 東邦 |
関東学院 | 跡見 |
上記の他にも、係属大学への進学率が低い学校は沢山ありますので、学校ガイドブックなどで調べてみることが大切です。
関連記事>>【中学受験】2021年度用の学校案内(ガイドブック)4冊の紹介
志望校選びは大学進学者の数よりも進学率が重要
志望校選びをする際のポイントとして、大学進学について目がいきがちだと思います。
もちろん中学高校と私立校に通い、大学への進学を考えることになるので、事前にチェックしておくことは重要です。
しかし、大学進学についてだけでなく、学校の雰囲気もあわせて考える必要があります。
お子様に合った雰囲気の学校の方が、勉強もしやすくなると思います。
さて、大学進学について見るときに、進学者数よりも進学率を重視することが大切です。
私も塾の講師をしていたとき、私立高校の大学進学実績をよく見ていました。
その際、東大・京大、早慶上智大などへの進学者数を確認したあと、必ず卒業生数を確認するようにしていました。(卒業生数が掲載されていない学校もあります)
大学進学実績を見る場合、学校ごとに1学年の生徒数が違うので、人数だけでは比較することが難しいです。
したがって、卒業生数や進学率を確認することが重要になってきます。
また、現役生と浪人生の人数も確認するようにしていました。
志望校選びをする際、大学進学実績を確認すると思いますが、細かくチェックすることが大切です。
偏差値60以下の私立中学校でも
「志望校は全て偏差値60以上の学校にします」と言われたことが何度かあります。
まず、中学受験と高校受験の偏差値は大きく違うということを認識しておく必要があります。
中学受験は全ての小学6年生がするものでありません。
しかし、高校受験はほぼ全ての中学3年生がするものです。
同じ学校であっても、中学受験と高校受験の偏差値に違いが出てきます。
たとえば、明大中野付属中学・高等学校の場合、中学受験の偏差値は55前後だと思います。
それが高校受験となると偏差値が65以上(模試の種類によります)になってきたりもします。
したがって、偏差値60以下の学校であっても良い学校は沢山あります。
第一志望校はある程度偏差値の高い学校を選ぶことが多いですが、併願校は偏差値だけで選ぶのではなく、学校の教育方針や雰囲気で通わせても良いと思える学校を探すことが大切です。
また、中堅校であっても素晴らしい大学進学実績の学校は沢山あります。
入口偏差値と出口偏差値という言葉を聞いたことはありませんか?
簡単に言うと、中学入学時と大学進学時の偏差値の差のことを表しています。
中学入試では偏差値40前後の学校でも、GMARCHに合格していく生徒が沢山いる学校もあります。
具体的には、「東京都市大学等々力」「日本大学豊山」「大宮開成」などが挙げられます。
「東京都市大学等々力」は、早慶上智にも合格者を多数出しています。
最初から偏差値だけで学校を選ぶのではなく、学校説明会や学校見学に行ってみることが大切です。
小学校の勉強と塾の勉強
中学受験をする場合、塾に通われる方が多いと思います。
小学校のテストでは毎回90点以上を取っていた方も、塾のテストになると60点だったということが多々あります。
特に小学4年生から塾に通い始め、初めて受けたテストでびっくりしたという方も多くいます。
小学校で勉強している内容と、塾で勉強している内容では、レベルが違ってきてます。
また、塾では毎週毎週新しいことを勉強することになるので、進度が早かったりもします。
したがって、テストの結果に一喜一憂するのではなく、「どこが出来ていて、どこが出来ていないのか」を把握することが重要です。
出来ていない部分について、可能な限り早めに復習をすることが大切ですが、時間がなければ長期休みに集中して克服をするようにしましょう。
ただ、小学校の勉強も中学受験のためになることが多くあるので、おろそかにしないことが大切です。
たとえば、小学校の国語の授業で行われるであろう「音読」は、文章をスムーズに読むための力が身につきます。
また、算数の「計算ドリル」は計算ミスをなくす役に立ったりもします。
小学校の授業をしっかりと受けることが出来ないお子様は、中学受験の勉強も上手くいかない可能性があります。
お子様にとって、小学校の授業はどう中学受験に役に立つかを考えてみましょう。
まとめ
「初めての中学受験」となると、保護者の方も不安なことが沢山あると思います。
保護者の方が不安になると、お子様も不安になってしまいがちです。
お子様の前では、常に自信を持っていることが良い結果につながります。
関連記事>>【中学受験】自信を持っている保護者と生徒が成功します
最近はインターネットで様々な情報を入手することが出来ますので、不安になったときは色々と調べてみるようにしましょう。
中学受験までは長い道のりですが、中学受験が終わるとお子様も保護者の方も大きく成長すると思います。
焦らずじっくりと時間をかけ、より良い中学受験が出来るようにしたいものです。
成績が思うように上がらない方は、
上の記事が参考になると思います。